
男女の間に親友関係は成立するのか?という議論は難しいですが、 友達以上、恋人未満という関係についてを精神分析の観点からみて、 少し理論的にしています。
恋愛というものを精神分析の観点からみると、基本的に以下の二つのことが言えます。
この図はA男さんとB子さんの二人の存在を恋愛関係としてとして仮定した意識と無意識の
図です。もし、この二人が意識的に共通する関心や興味・趣味だけで
結ばれているような関係であれば、単なる友達関係となります。
意識的には波長が合っていたり、気が合ったりしていても
恋愛感情に違和感や抵抗があると「いい人だけど恋愛感情にはなれない」
(いい人で終わる)ということになります。
では、この図を基に恋愛関係の成立までの過程を大きく二つに分類できます。
二人が共通する関心や興味、趣味の一致などから波長が合ったり、 気が合ったりすることから恋愛感情になる場合。
意識的な過程がなく、一目惚れなどで最初から恋愛感情になる場合。 人生最初の恋愛感情である初恋もここに含まれます。 理想的な相手のイメージが恋愛感情を抱く最大の動機となる場合が多くみられます。
現実型は結婚相手、理想型は恋愛相手に求めらることがほとんどではないでしょうか。 現実型だけだと、恋愛感情の刺激がない状態なので友達という位置づけになって しまいます。 ただし、恋愛関係成立の過程においてどこまでが意識的で無意識的であるのかを ハッキリ区別することはできません。
日本にはお見合い結婚という制度があります。 お見合い結婚は本人同士以外の関係者からの客観的判断から始まって、 本人同士もお互いの現実的な条件の検討から始まります。 客観的な条件の組み合わせという点から考えると失敗する確立が低そうですが、 お互いに恋愛感情になるかが問題になってきます。 それに対して恋愛結婚は、始まりが恋愛感情から始まって、 現実的な条件を満たしていれば理想的な結婚かもしれません。 しかし恋愛には多くの幻想が含まれているので、結婚生活という現実の中で相手の 現実像を見せつけられて、理想像と現実像の違いを思い知らされて悩む人も多くいます。