第五章 実践テクニック - 信頼関係の構築

お互いに関係を発展させていくにはためにはある程度の信頼関係が必要になってきます。信頼関係を発展させる方法として最も有力なのが自己開示です。自己開示とは相手に自分の夢や悩みを打ち明けていくことで、それにより相手も自己開示をするという返報性があります。たとえば、自分の趣味の話をすると相手も趣味の話、自分が深い相談事をすると、相手も深い相談事をするといった感じです。これは「そこまで話してくれたから自分 も話す」という心理が働くからです。このように自己開示していくことで親密になって関係が深まっていきます。では、自己開示のポイントをみていきましょう。

1.相手を信用していく

「あなたを信用している」と相手に印象を与えるような発言や行動を行う。例えば自分の持っている大切なものを相手に貸したり預けたりするのも一つの手です。ただし、あまり高価なものだと相手も気を遣ったり、負担になりますので避けるようにしましょう。無理に押しつけたりすることもNGです。

2.相談事をする

相手に相談をしてその問題を解決していくと、二人で一緒に壁を乗り越えることから「この人となら一緒にやっていける」という印象を与えるメリットがあります。もちろん親密になればなるほど、深刻度の高い相談をしやすくなりますが、深刻すぎる相談事も相手に負担を与えることがあります。特に金銭面の悩みや両親の病気などはかなり深刻度は高いでしょう。自分の悩みがどのくらいの深刻なのか考えてから相手に打ち明けるようにしましょう。小さな内容から相談して関係を深めていくのがポイントです。
以下、親との関係の例を深刻度として表しています。

深刻度
(低)「うちの親、人のやることにうるさくて・・・」
(中)「俺、昔から親と相性悪くて・・・」
(高)「うちの両親、仲が悪くていつも喧嘩して・・・」
(特)「実は父親がガンで・・・」

3.嘘偽りのないようにする

自己開示ですから嘘や偽りがあってはいけません。自己開示に嘘や偽りが含まれていれば話に現実感がなくなったり、相手に嘘や偽りを見抜かれたら信用を失ってしまいます。

4.電話で相談してみる

電話は、自分の姿が相手に見えないので自己開示しやすいメリットがありますが、相手の表情が見えないというデメリットもあります。相手と会って相談事をしていると暗い雰囲気になることがありますので、そういう場合は電話で相談してみるのも一つです。最初はメールなどで「ちょっと聞いてもらいたいことがあるんだけどいい?」と相手に確認をとってからするのがベストです。

5.自己開示しすぎない

あまりにも自己開示しすぎてしまうと、相手がそのペースについてこれなくなってしまいます。お互いのプライベート侵害になるくらいまでの自己開示をしないようにしましょう。

6.自己呈示はしないこと

自分を演出して相手に特定の印象(自分は優しい、頭がいいなどの印象)を与えようとすることを自己呈示といいます。自己呈示は話の内容が不自然になってしまったり、無意識にその印象を与えようとして強調してしまったりします。それを相手に見抜かれてしまうと、逆に悪印象を与える可能性がありますので自己呈示をしないようにしましょう。

PAGE TOP