第二章 会話術 - 受容と共感

1.受容

受容とは、相手の言っていることをそのまま受け入れるということです。たとえば「うちの親っていちいち干渉してくるからウザいんだよね」という話に対して 「そうだね、それはウザイね」というのは同意で受容ではありません。受容とは「そっか、親がいちいち干渉してくるんだね」というあなたの話や感情を、私はそのまま受け入れましたよ(聞き入れましたよ)というのが受容です。また、さきほどの同意をした場合、相手の受け答えで表面上は「うん、やっぱりそうだよね」などと答えるかもしれません。しかし、内心では自分の親を否定されているような複雑な感情になっているかもしれません。話をしている意図が同意を求めているのか、自分の気持ちを理解してほしいのかがポイントになりますが、この場面では、あまり同意しないほうがいいでしょう。

2.共感

共感とは文字通りです。共感されることによって仲間意識が高まります。共感するときの注意点は共感できないところを無理にしないことです。相手の話を受容して共感できるところがあれば、してあげましょう。

3.いたわりやねぎらい

話を聴いていて相手が悩んでいたり落ち込んでいる時にはいたわってあげたり、ねぎらいの言葉をかけてあげましょう。次の会話例をみて受容、共感、いたわり(ねぎらい)をみてみましょう。

A「うちの親っていちいち干渉してくるからウザいんだよね」
B「そっか、親がいちいち干渉してくるんだ」(受容)
A「ちょっと帰りが遅くなったくらいで、どこいってたの?とか聞いてくるんだよ」
B「帰りが遅くなるって、仕事か何かで?」(質問)
A「うん。俺だって仕事してるから付き合いとかあるのに・・・」
B「そうだよね、仕事してると付き合いとかあると遅くなっちゃうよね」(共感)
A「うんうん!疲れて帰ってきたのに、いつもガミガミ言われてマジ疲れる」
B「あら大変だね。ストレスまったりしてない?大丈夫?」(いたわり、ねぎらい)
A「大丈夫。ありがとう」

受容して共感していたわってあげると、相手が心に溜め込んでいたモヤモヤが解消されてスッキリするものです。そして、このようなコミュニケーションが上手くいけば、二人の関係性も良くなり信頼関係も築けてきます。

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